家賃をどのように設定するかは物件の保有戦略と密接に関わってくる。
もう少し具体的に言うと、
①短期で物件を売却するつもりがある場合
②中長期で物件を保有するつもりの場合
で値付けは異なるということだ。
具体的なシミュレーション
元々家賃7万円で募集している物件があったとする。
仲介業者からは、「7万円だと少し高い。6.5万円まで下げればすぐに決まると思う」というアドバイスを受けていたとする。
7万円の家賃設定の場合、6.5万円の家賃設定の場合をそれぞれ見比べてみよう
①短期売却のケース
売却相場が利回り12%水準だと考えてみよう。
・7万円家賃
売却価格 :7万×12ヶ月÷12%=700万円
・6.5万円家賃
売却価格:6.5万円×12ヶ月÷12%=650万円
家賃設定が5000円違うと売却価格に50万円の開きが出る。
50万円 = 6.5万円×7.7ヶ月
6.5万円の家賃で50万円の利益を出すためには7.7ヶ月の入居が必要になる。
ということは、7万円の家賃でも7ヶ月以内には入居してくれるだろうと思っていれば、値下げしない方いいということになる。
②中長期で保有するケース
長期保有するケースでは家賃収入で比較する必要がある。
7万円のまま粘って空室1ヶ月ごとにでる損失:6.5万円
入居後に6.5万円の時よりも多く得られるリターン:0.5万円
6.5÷0.5 = 13
つまり、1ヶ月の空室損失を埋めるのに13ヶ月必要なのだ。
ましてや2ヶ月空室になろうものなら損失を埋めるのに、2年以上の時間が必要になる。
2年となると入居者が出ていってしまう可能性すらある。
まとめ
というわけで家賃の値付けは物件の保有戦略と大きく関わる
短期売却予定⇒強気の値付け
長期保有予定⇒適正価格
という具合がよいのではないか。
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